いつもの予感

前夜から積もった雪も徐々に解け、凍結していた道路が太陽に温められた昼頃、出勤することにした。いつものように高速道路に乗ろうと車を走らせていた。左から二人乗りのバイクがちらりとこっちを見て抜き去っていく。外気は氷点下の中「よくバイクに乗るな」と思っていたら、なんだか昔レースで感じた嫌な予感が脳裏をよぎる。
スピードを上げるバイクの走りを見ていると、右側車線を走る自分の前を走る車の前に左車線から割り込んできた。スピードは明らかに８０キロ以上。そして車の陰に隠れる寸前、後輪が「ずるり」とすべるのが見えた。
咄嗟にミラーで後方を確認しつつブレーキング。ちょっと間を置いて前の車が急ブレーキでロック。車は横向きに停止。バイクはダッチロール後に大落車。タイヤが焦げ煙を上げる前の車がライダーを曳いたと思い、後ろの車が停車したのを確認して急いで駆け寄ったら、ぎりぎりセーフ！冷たい道路に転がる男女。恥ずかしさからか急いで立ち上がろうとする。そして動くなとの忠告も聞かずに１００メートルくらい彼方のバイクへよろよろと歩いていく。二人乗り、しかも女の子を乗せてるのにその走りはないだろ兄さん。
オイルが漏れたバイクのそばに居たくなかったので、さっさと出勤しましたが、潰れたバイクじゃ帰れまいと１１０番通報してあげました。
うんにゃ、久しぶりに落車の気配とタイヤの焦げる匂いを嗅いだですばい。練習で落車した仲間を助けに行く時と同じ気分。一瞬の判断ミスが悲劇になるのは自転車も一緒。皆さん危険察知能力を磨き安全運転を心がけましょう。

アップ無しでダッシュしたおかげで膝が痛くなったぜ。