スポーツエイドステーション アルカンシェル/長崎県佐世保市

今時でない高校生

学生にもいろんな夏休みがあると思った。のんべんだらりと過ぎる1か月もあれば・・・・・・

しばらく前にかかってきた一本の電話。受けた秘書の目が点になっていたので、困っているのが分かった。電話を替わると相手は県外に住む高校生。礼儀正しくしっかりした口調で話し出した。

「アルカンシェルで修行させてください」 ・・・・はい? 「雑用でも何でもやります、修行させてください」 ・・・・えーと・・・・うちって虎の穴だったっけ?

聞けば自転車部の無い学校で独自に練習を積んでいるらしく、2年生の割にそこそこ走れるようだ。でも今の自分に満足はしておらず、競技選手としてだけではなく人間性を高めたいという。ほー立派、話す内容もしっかりしてるし本当に高校生か?

何でもかんでもメールで済まそうとする時代に、大事な頼みごとをきちんと電話でしてきたのも感心するし、事前に俺やAECの事もしっかり調べて覚悟を決めている。

幾つか質問すると、夏休みの間トレーニングを積んで、精神修行して、国立大に進学する勉強をするという。で、俺の所か?ブログを読み漁ってここでやるしかないと思ったというが、勉強は教えきらんぞ(そりゃわかってるか)。それにしても県外からの交通費、宿泊費、食費はどうする?親は何と言ってると聞いたら、すでに説得していた。その意気は買う。

今どき携帯電話も持たずに勉強してるらしい。そういう周りに流されないやつは好きだ。なにより自転車に一生懸命なだけではなく、複数の角度から自分を成長させたいと考えているのが伝わる。しっかりした息子を持った親は嬉しいだろう。

会ってみたい。とことん膝突き合わせて話してみたい。礼儀正しく信念持って飛び込んで来る者には知ってる事なんでも教えてやりたい。しかし、やるなら中途半端に引き受けることはできない。高校生の大事な夏休みを預かるなら全力でやらなきゃ失礼。飯くらい食わせてやるし、寝るところだってどうにかできる。しかし仕事をしながら私用をこなしながらこの限られた時間で何ができるのか?

数日ずいぶん考えたけど結局俺は断った。お前にはまだ身近でやれることがたくさんある。外に目を向けすぎると大事なものが見えなくなるぞ。昔キング三浦さんがよく言っていた。「安易に海外に行く選手は多いが、日本で力をつけてからじゃないとただの観光旅行になる」

ちょうど競輪選手の後輩が高校生と一緒に練習できる環境にいたので、電話で詳しく話をしてよろしく頼むと伝えておいた。ここではここでしかできない修行もあるのは分かっている。同じくそこでしかできない事があるはずだから先ずはそれをやっておけ。

いつか強くなったら会おうと約束して電話を切った。お前には早く会いたいからずっと応援してるぞ。

スポーツエイドステーション
アルカンシェル

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13:00~19:00 

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