来客招福

遥か遠方から遊びに来てくれた若き友人。幾度と無く電話で話しているが、会うのは数年ぶり。これまで仕事と勉強に打ち込み、殆ど県外へ遊びに行く機会は無かったらしい。

日頃の仕事っぷりに報いるためにと、親友の社長が超多忙な仕事の合間を縫って、社員の娘達を佐世保まで送り出してくれた。同年代の秘書ともうち解け、ほんの短時間ではあったが、密度の濃い旅を楽しんでくれたようだ。

おっさんは日頃聞くことができない乙女らの話を肴に夜遅くまで食事を楽しんだ。異業種、異国、歳も離れた娘達と奇跡の確率で一緒に酒を酌み交わす。

これが自分の過去の積み重ね。労働の対価として得た時間とお金を一期一会の道具として使う。過去の話は忘れるし、物は得たり離したり。人の巡り合わせも永遠は無いと分かっている。それでも今、この刹那を楽しめるのが幸せ。

秘書は俺を「快楽主義者」と呼ぶが、自分は最近やたらといろんな人から「美人秘書」と呼ばれている。最初はうつむいて謙遜してたが、このところ頻繁に鏡を見てる様な気がするのは何故？