懐かしい顔

高校の自転車部で一緒に汗を流した後輩が尋ねて来てくれた。卒業後もプロになろうと頑張っていたが、残念ながら道を断たれて料理人になった。２０年は会っていないと思うが、人を気遣う話し方も物腰も昔のまま。今ではテレビ局から取材を受ける店を構え、立派な家を建てて幸せそうな家族の顔がある。自転車のプロ選手にはなれなかったが、十分成功したな。

一つが駄目だったと言って、それで終わりじゃない。むしろ挫折があったからこそ、慢心せずにその後の人生を頑張ってきたんじゃないだろうか。聞けばその後もいろんな事があった様で、人によっては投げやりになってもおかしくは無かった。しかしあきらめずに開き直って進み続けた結果で今がある。挫折のプロである先輩が言うんだから間違いないと思うぞ。今こうして遥か遠い地から会いに来てくれる後輩が居ることを誇りに思う。ありがとう、居場所も分かったし今度は俺が会いに行く。