考えずとりあえず乗る

３時に目が覚めた。練習開始まであと２時間あるしローラーにでも乗ってみるか。

外は真っ暗、近付いた台風の影響で風は強いしライトの充電も切れているので、走りに出る勇気はないがローラーくらいなら俺でも乗れる。

出張先で夜毎繰り広げられる宴の勢いに任せ、貯め込みまくった脂肪を落とし、ふさがった汗腺を開こうとペダルをコキコキ。じんわり汗をかき出すと気持ちいい。脂肪が溶け出すイメージトレーニングだ。

皆が寝静まった世界で自分だけが練習してると思ったら、昔を思い出してだんだんやる気が満ちてきた。どこに向かうのかと聞かれると口ごもるしかないが、今走っている瞬間は気持ちいいので目的なんぞなくてもいい。

走る目的が曖昧な今、乗らなくなると徹底的にさぼろうとするから、早起きの拍子でやってみたら意外と気持ちがいい。いきなり追い込むと続かないので、体が動き出したらほどほどペースを上げてインターバル。楽しいと思う範囲でローラーを降りた。

選手時代はここまでがアップ。これから先のやりたくない事をやるのが仕事だったけど、今考えるとその「やりたくないことをやった」経験が一番自分に役立っている。

悩める若者たちよ、とりあえずやってみるのもいいぞ。