こんなお客様に支えられてます

ここ最近女の子の来店が多く、見渡すと俺以外が全員女性というシーンもある。　ええこっちゃ。趣味の店はこうでないと。

そんなある日、来店したお客様は女子高生の姉妹。 店に飛び込む早々「走っていたらペダルが外れたので直せますか？」　あー、そりゃまずい。聞いただけじゃあんまりよろしくない状況。とりあえず自転車見せてね。

見ると案の定クランクのねじ山がつぶれている。走行中に外れたペダルはクランクをダメにする。まだ新品の小径車なので「いつどこで買ったの？」と聞くと、昨日ホームセンターで買ったという。しかも１時間半かけて点検したばかりと。　なんですと？２台の自転車は全てのペダルが緩んでいて手で外れる状態。もしやと思って他を調べると、あっちもこっちもネジが締まってない。どこを点検したっちゅうねん。

点検項目のチェックリストに印が付いてるということは、仕事をやらずにやったふりしてたということ。ホームセンターだからと言って「知らんかった」じゃ済ませられんぞ。お客と自転車の事故をなめるな。

この際、敵を作る覚悟で書くが、整備不良の自転車売ってる店多すぎる。特に量販店の評判は全国的に最悪。うちに持ち込まれる自転車はほんの一部のはずなのに、ほぼ全てが整備不良。人間なのでミスはあるだろうが、当然そんなレベルじゃない。素人が組み立てたとしか思えないので、そこで販売していることが間違い。

現実を目の当たりにして困った姉妹は親を迎えに呼んだので、お母さんに状況説明。よっしゃ、また美女の来店だ。　ホームセンターでの返品交換を勧め、何かあればとショップカードを渡して見送った。

しばらくすると親子が再来店。「どうしました？」　「２台とも返品してきました。ここで自転車買います」　「え？でもうちにそんな安いのないですよ。しかも２台も」　「結構です。親切にしてくださったのでここで買います」　ちゅうことで姉妹の小径車をご注文いただきました。

なんという気風の良さ。中には質問するだけし倒してネットや他店で買う人もいるというのに、金額よりも義理を重んじスパッと決断したお母さん格好いい！　きっとこの子供たちもいい子に育つはずだ。　嬉しくなって俺もサービスしてしまった。これでお互い気持ちいいしね。

秘書から、女の子には弱いとか美女にだけは優しいとか言われる前に自分で言う。　その通りだ。