想像の域の人

もう１１月。冬も来ますが、すごいサイクリストも来ました。

これまでも日本一周中だとかアメリカ横断した後だとか色んな旅人が訪れてきたけど、こちらは世界各地を３年半で３万キロ近く走り続けてきたという。ようやく日本に戻ってきたけど、静岡に帰るまではまだあちこち走りまわるそうだ。

荷物は５０キロ。砂漠を走る時は更に２０キロの水を積んで走ったらしい。象や熊に遭遇し、麻薬取締官に一斉に銃を突きつけられたりと、数日は話を聞いていられそうな盛り沢山の出来事。

もっとゆっくり話していたかったけど、先がある方だったので、伸びきったチェーンを交換して「どうぞ最後までご無事で」と見送った。

春先に日本一周途中の女性と話をしたのに触発され、３か月後には九州横断してきた。この男性と話し込んだら冬にはアメリカ横断くらい行かねばならんところだった。危ない危ない・・・

過去に戻ることはできないけれど、そっちの道に進んでいたらどうなったかと考えることは多い。その時その時の分岐点で自分がベストと思う選択をしてきたはずだとは思うけどやっぱり・・・・

あの時日本一周に旅立っていたら？あの時選手への道を諦めていたら？あの時自転車を捨てて違う道を選んでいたら？あの時落車をしなかったら？あの時人を信じていなかったら？あの時あの人と巡り会わなかったら？

想像するのは面白い。無料の自作自演の映画のようにいくらでも楽しむことができるし、夢を膨らますこともできる。

とりあえず今は難局乗り越え死なずにいる。歩くことだってできるし、飯だって日に３度は食べられる。おまけにちょっとは自転車にも乗ってあーだこーだ言って笑って生きてる。　現実が一番ドラマチックだったりするのかも。

明日は何が起こるかわからないから今日も全力で自分がやれることをやるでござる。