ネーミング

鶏も豚も馬も魚も好きだがやっぱり牛は旨い。このたび分厚い贅沢ステーキを頂戴し、おいしく味わいました。

お世話になっている会社が建てたマンション。そのビルのネーミングを募集していたので、「これ面白そう、いっちょ応募してみるか」ということで秘書と二人名前を考えてみた。景品は「最高級の和牛」　よっしゃこれいただくぞ。

考えること５分少々、閃いたのが「VISTA」。立地が佐世保湾を見渡す絶景であることと会社の将来の展望が開けることをひっかけて。一方秘書案は相変わらず堅苦しいというか面白みがないというかありきたりのもの。お前それはないぞ。これで決まったらその会社のセンスを疑う。とにかくいくつ応募しても構わないそうだからもっと出せ。

しかし出せば出すほど泥沼に入っていく。左脳だけで考えるんじゃない。ようやく紙一重で「ユニーク賞」を狙えるネームが出たのでそれを最後に全部応募してみた。数打ちゃ当たるかも。ただし秘書の面目のためにそれらのネーミングは公開できない。墓場まで持っていくから心配するな。

それからしばらくして連絡があり「おめでとうございます。見事決定しました！」ゲットー！やったぜ！ちょうどそのころ牛肉が喰いたくて仕方なかったので卑しい執念が実ったか。しかし当選したら商品は山分けという圧倒的に不利な約束を結ばされていた俺。秘書におすそ分けとなった。

自慢じゃないがこれまでも友人らから会社名を付けてくれとか頼まれたり、ネーミングセンスがあると言われることはあったが、何を言ってるんだ？程度で聞き流してた。しかし今回の和牛（高級）でそれは決定。１００通くらい応募があったそうだから俺ってすごい。自分大好き。ここはもう自信を持つことにする。

確かにこれまで俺がネーミングした中でも「アルカンシェル」は大胆すぎて日本の自転車屋では無かったのかもしれない。開店前に本当の世界選チャンピオンや世界選手権を何度も走った選手たちに話を聞いたくらい心配だったが思い切って命名した。

名前を付けたビルの前で行われた授与式では、嬉しそうな表情が欲しいカメラマンにおだてられ「高級和牛が似合ういい男」の称号もいただいた。皆さん今度から俺のことはそう呼ぶように。高級和牛が・・・どんな男じゃ?

むははは、とにもかくにも余は満足じゃ。肉、最高にうまかったです。ごちそうさまでした。