生きてる証
2024年3月19日 火曜日
膝の回復具合を見るために少しだけ外を走ってみた。様子見だからそろりそろりと走って違和感があればすぐ止めるつもりで。
だが久しぶりに走るので心臓は動かず未だギアを掛ける訳にもいかず低速走行。MTBとはいえあまりにも遅い。遅すぎて倒れるんじゃないか?身の程知らずにも悔しくなってついついピッチを上げていく。だが気持ちだけが体より前に進み身体とのギャップはどんどん開いていく。
但し関節の軌道がきれいになったからか、毎日ローラーに乗ってるからか、足はそこそこ回るので心拍は上昇しスタート5分で吐き気がしてきた。
それからはほぼ休む間もなく「ヒーヒーハーハー、ヒッヒッフー」とラマーズ法で走り続ける。途中何度もリーバース寸止めで飲み込む。これって無限補給食では? あまり早くから追い込むのは良くないし、そもそも追い込む必要など全くないのに何故だ?酸欠でなにも考えられない。
死ぬほど低速なのに救急車要請レベルに苦しんで走る姿は他人に見せられたもんじゃない。知らない人が見たら危ないおじさん。だが平静を装う余裕もない。このペースじゃもたないとか先の事など考えずとにかく「ヒッヒッフー」と命を繋ぎながら走り続ける。
たった45分のサイクリングで抜け殻になり、座り込んでもシューズが脱げない。この放心状態がきっと自転車の楽しさ。レースを戦う緊張感や恐怖心は無くても、体を使い切る充実感はある。止まらない汗と心臓の苦しさ、これが生きてる証か。
負けても悔しくない方法
2024年3月15日 金曜日
レースシーズンの足音が近付き、みんなのやる気も徐々に上がってくる(はずの)季節。
本当は一年中レース前のモチベーションを保てたら最高なんだけど、本番までに間があるとどうしても「まだ時間あるし」と気持ちが入らない。精神力が強い人はそこが違うから強くなるしカッコいいんだよね。
冬場の練習を怠けていて春に結果が出るわけないし、夏に間に合うはずもないのだが、目の前の惰眠やおやつやYouTubeの誘惑に負けてしまう人たちの気持ち・・・・よく分かる。 サイクリングは趣味なんだからそれでもいいと思うし、楽しくやるのが一番。俺も目標設定が低いから負けじと存分に誘惑に流されている。
だけど強くなりたい人は別。どこで割り切るかによってスポーツは楽しくも苦しくもなる。 練習は頑張らず楽な範囲でやっていれば苦しくはないけどたいして面白くもないだろ。 千切れそうになった時に血圧上げて我慢する方が、すぐに諦めて離れていくよりやる意味あると思うけど「頑張れ!」はもはやパワハラ?
自分の限界に挑戦することもなく、言い訳して踏み止めるのは簡単。「強くなりたい」と言いつつ、なるべくきつい練習はしたくないと中途半端に走るくらいなら寝てればいいのに。
それでも朗報。頑張らない人にも利点はある。レースで負けても悔しい思いをせずに済む。成績がどうであろうが走るだけでぬるま湯につかったような心地良さだけは味わえる。目標を常に低く持ち、自分自身に期待していないのだから全てが上手くいくに決まっている。
逆に真剣にやればやるほど涙を流すほど悔しい思いもするし、つらく苦しい体験もしなきゃならない。そのうえ目標が高く達成の可能性は低い。だけど大きな喜びを得る時も稀にある。
どっちの生き方が面白い? 選ぶのは各自の自由だけど、AECのクラブでは後者に喜びを見つける人を応援したいですな。
江里峠T.T参加者募集
2024年3月04日 月曜日
今年の冬はあんまり寒くなかった気がする。一番寒かった時期に入院して引きこもってたからかも?自転車で走るにはちょうど良い季節になってきたので、そろそろ恒例の江里峠タイムトライアルを行います。
期日 : 3月31日(日)9時アルカンシェル集合
締切 : 参加希望者は29日までに来店時かメールでお申し込みください。
資格 : 当店のお客様で主催者の安全指示に従える方。
内容 : AECよりスタート地点まで自走(約8km)し、5.2㎞の峠道を2本計測。
費用 : クラブ会員以外1,000円。 高校生以下無料。
詳細は参加申し込み時にお知らせします。
進化なのか
2024年2月25日 日曜日
50年程度の歴史しかこの目で確認はしていないが、その間も自転車は進化し続けてきた。
5→6→7→8と多段化が進み今では12枚は当たり前。13Sさえある。そもそも変速方法が膝蹴りからスイッチポチに変わったのは大きい。面白味は薄れたけど。
コッタードのクランクはコッタレス化しBB共々中空になった。ここはかなりの軽量化。剥がれ落ちる事もあるけど。
ブレーキの進化は言わずもがな。下りは命懸けだったフニャフニャキャリパーは、コントロールに十分な効きを通り越して握り過ぎ注意オートバイ並みの制動力にまで進化。その挙句ブレーキの効きとテクニックが伴わず、タイヤを太くするしかない有様。そのうちABS着くだろ。
空力とバランスとりながら共に進んだ軽量化は、剛性アップと電動化とDISC化等で逆に重量化するところが面白い。カンパがクイックレバー無くすとか進化か退化かよく分からん。
人力の強化を置き去りに一体どこへ進もうとしてるのか?外見は大きく変わったが素材の進化以外でどれだけ速く走れるようになったんだ?
メルセデスが掲げた2030年までのオールEV化はCEOが早くも「やっぱ無理」と進路変更面舵一杯。自転車もどこかでいきなり方向転換あるんじゃない?
行ったり来たりは面白いし、ファッション同様に流行回帰とかもある。過去にもドヤ顔で出したが消えて行ったアイデアも多い。だから進化の流れに乗ってその変化の波を楽しむのも趣味の世界では正解だろね。
今後も進化の過程は楽しみに思っているからそれはそれで良いが、乗り心地とか素人無視のゴリゴリスパルタンバイクも無くさず作り続けて欲しいと思っている。
そして独り勝ちトヨタ潰しで欧州勢が結束しても、実用が伴わなければ平気で前言撤回するように、仮にシマノが同じ目に合っても「世界基準の嘘」に振り回されないで欲しいです。
練習日誌
2024年2月19日 月曜日
日々仕事をするという当たり前の生活にも順応してきた。動き回るのはもちろん、イスに座っているだけでも疲れていたのが、体の動きが良くなるにつれ楽になってきた。
膝の可動域を広げるために固定バイクのサドルを下げて足を回し続ける。関節がストップする位置が早すぎて尻が持ち上がるのを痛みに耐えながら慣らしていく。
一歩進んで半歩下がる毎日。レースに復帰とかじゃなく「不自由なくサイクリングできれば」と到達目標が低いので、選手時代と違い焦りは全くない。今は半歩進捗でも毎日欠かさず練習(リハビリ)する事に意味がある。記録を見れば一目瞭然。
筋トレとローラーを毎日2時間ほど。たったこれだけで今は満足できるんだからお安い御用。やりたくても出来なかったのが、やれるようになったのだから苦痛と感じないこの気持ちを忘れないようにしたいね。
自由に体が動きいつでもできる時はサボろうとするのに。時間なんていくらでも作れるのに忙しいと言い訳してサボろうとするのに。できなくなるとやりたくなる。人間はアホやな。
残りの人生が短くなって、できる事が少なくなる前に気付いた人は幸せ。若者を見てると時間の使い方が勿体ないとよく感じるが、程度の差はあれきっと俺も似たようなものだったろうね。
何度も痛い目に合って、体を壊して不自由な生活をして、おっさんになってとするうちに気付いてくる。この経験を今後にうまく生かせるかは意志の問題。だから忘れないように書いている。
少年よペーパーレスの時代かもしれないけど、練習日誌はしっかり(綺麗な字で)書いた方が良いぞ。
師弟関係
2024年2月14日 水曜日
最近落語家の弟子が師匠をパワハラで訴えたというニュースを見て違和感を覚えた。
落語家は普通自ら頼んで弟子入りするから、弟子にしてもらっておいて師匠の指導が気に入らないと噛みついたって事かな?
その前提ならば弟子にはモノを教わる覚悟が無かったって事じゃなかろうか?指導方法は師匠次第。一度「よろしくお願いします」と頭を下げたのだから、指導が自分に合わないならその人を選んだ自分を責めるべきで、これまでの指導に礼を言って早く辞めるべきだった。
今20歳の学生で先生に殴られた子は少数だろうが、60歳で昔殴られなかった男はもっと少ないはず。それが普通なのだから憎しみを持つだけじゃなく殴る先生からも何かを学ぶ術を覚えていた。「そういう時代だから」と理由を付けて、どんな師匠からも学ぶことはあるのに自ら放棄してる。
芸を磨くために労働時間も公私の区別もなく働くことを有難いとする弟子もいれば苦痛に感じる弟子もいる。「師匠が弟子に合わせて指導しろ」なんて虫が良すぎると俺は思う。教わる資格なし。
どうせ丁稚時代に師匠の本意など理解できないし、全てを信じて従う気持ちが無ければ弟子入りなんて気持ちを持たない方が良い。自分に都合のいい所だけ教わろうなんて姑息な考えの弟子は師匠にとって迷惑でしかない。だから何度も弟子入りを断り気持ちを確認するんだろ。
伝統的な技術習得の世界に足を踏み入れるという事は「素人は黙ってやれ」ってことなんだからハラスメントなんて考えを持つこと自体、その世界に向いてない。進む道を間違っている。
師弟関係とはそういうモノじゃなかろうか? これは判決と違う意見だから俺が異常なんだろう。間違っても俺に弟子入りしようなんて考えは持たない方が良いですね。
暗闇用心
2024年2月09日 金曜日
おかげさまで少しずつ仕事の調子も戻り始めました。
今までできなかったことができるようになるのは楽しい。ここ数年は単に歩く事や立っている事が辛くて、他の動物なら死を待つだけの状態に近かったけど、今は違う。
40数年かけて悪化したパーツが一気に甦って機能を取り戻した。過去に歩くのが辛い経験をした人なら分かるだろうけど、普通に立ち歩く事ができる感覚はとても新鮮。これまでの苦痛が嘘のようだ。
なので調子に乗って早朝から散歩に出かけた。朝はまだ寒いと厚めに着込んだ。外はまだ真っ暗で路面の凹凸に気を付けながら暫く歩いたところだった。
駐車場から車がゆっくりこっちに向かって動き出したかと思うと、近付くに従い加速しだした。「あ、まずい!」とっさに手を振り運転手を見てアピール。
直前で止まった車の運転手も助手席の方も驚いている。「すみません!気付いてませんでした!」。窓を開け2度も謝られるので「大丈夫です」と挨拶してやり過ごしたが危なかった。病院にとんぼ返りするとこだった。
こちらも真っ暗な時間に対策を取っていなかったのが悪い。すぐに体に付ける反射材を購入し、自転車のテールランプで防御。
交通量が少なくても、歩道を歩いていても、リスクはどこに潜んでいるか分からない。これからも油断せずに行けよという暗示だったかも。
通常営業に戻ります
2024年2月05日 月曜日
本日13時よりアルカンシェルの営業を再開し通常のペースへ戻ります。
店主が膝の手術のため休業していましたが、店内での仕事に限ればほぼ支障ないまで回復しました。幸い店内に固定バイクがあるので、リハビリも滞りなく進行すると思います。
休業中はご迷惑をおかけしました。改めまして本日よりよろしくお願いいたします。
Odds 完結
2024年2月04日 日曜日
2006年以来長期に渡り描かれてきた競輪漫画「オッズ」がこの1月に完結を迎えた。
漫画の構想段階に作者の石渡治先生に紹介され、競輪の内部事情や自転車機材、トレーニング、選手心理など知ってることをお伝えしてきた。 高名な先生の名前は当然知っていたので全面協力。
当時俺が理事長をやっていた自転車競技普及のためのNPO法人も漫画に登場させてくれた(主人公が乗ったピストは劇中で俺が組んだ自転車)義理堅い方だ。 石渡先生からはリアリティ追及のためピストレーサー組み上げの依頼も受けてお届けし、活動の協力もしてもらった。
そんな縁もあり全巻サイン入りで送ってくださったコミックとプレゼントしていただいた先生直筆のキャラクターは、今も店頭と店内にアルカンシェルのシンボルとして輝いている。
微力ながらも長い間関わり選手引退後も競輪の雰囲気を思い出させてくれた漫画が終わるのはとても寂しい。競輪漫画としては最もよく描かれていて感情移入しやすい作品だと思っている。
後にスピンオフも出るそうなので、自転車競技に身を置く者に限らず是非全巻読んで欲しい。
2月5日(月)13時より営業再開します。
営業再開のお知らせ
2024年2月01日 木曜日
2月5日(月)より営業を再開いたします。
3週間に渡り休養させていただき、AECのお客様方には大変ご迷惑をおかけしました。足の完全復調にはもうしばらく時間が必要ですが、着実に良い方向には進んでいるようです。
今後も変わらずアルカンシェルをよろしくお願いいたします。