都会に集中する税金を世話になったり縁のある地方に分散させるふるさと納税。もう何年も前からこれについては書きたくてうずうずしていた。

確か最初は東北の震災復興のために制度化されたんじゃなかったか？全国の有志が直接力を貸せる仕組みはなかなかいい思い付きだと思った。だけど返礼品がエスカレートするにつれ、肝心の東北にはあまり集まることがなかったとも聞く。

日本一好評だった平戸の返礼品はすごいらしい。知恵と努力の結晶で地元に利益をもたらしたのだから偉い。佐世保も平戸に追いつけで、全国上位の収穫を挙げてる。すごいじゃないか、地元が潤うのは大歓迎。

と、言いたいところだけど、実は俺は否定的。ふるさと納税の制度は良いと思うし、返礼品の努力もいいと思うけど、返礼品を値踏みしてお得な買い物競争のような納税はずっと好きになれない。

うまい肉が安く買えるからとか、お得な買い物できるからとネット検索で天秤にかけるのはどうなんだ？　個人の損得勘定で納税してもいいのか？自分が世話になっている地元に納税しなくていいのか？税収上がるところがあれば下がる自治体もあるはず。それが自分の住む過疎の町だったとしたら？自分の町の人みんなが他県のうまい魚目当てで納税してたら足元崩れていくのでは？

特別な時に頼りにするのは世話になる場所。公共施設を使わないなんてありえないし、居住地に一切頼らないで生きることなんてできない。他所に税金払っといて、都合のいい時ばかり堂々と権利を主張できる？・・・と俺は深読みしてしまう。

ネット検索が普及して「いいとこ取り」が増えるのは仕方ないけど、自分が天秤にかけられ都合のいい時だけすり寄ってこられると良い気はしないんだから、自治体だって同じでは？

返礼品競争にブレーキがかかったと知った。いいぞ、今度は違うところに知恵絞って競争してくれ。いっそ全国の商売も全て定価販売にしたら、技術とサービスだけの純粋な競争になって面白いかも？

金額の大小関係なく、世話になる所に貢献したいので、俺は返礼品目当ての納税はしない。

やることやってるだけで「お世話になりました」と平戸から毎年ウニ持ってきてくださる方もいるから、平戸に納税しなくてもこんなに美味いもの食べられることもある。それで十分。ありがとうございます。

休日が過ぎるのはあっという間。ここぞとばかりにあちこち走り回り交渉を進める。一旦店に入ると殆ど外出できないので、誰かに来てもらうのを待つだけのアリ地獄状態。休日は羽アリになって飛び回るというわけです。

今回の休日は横浜からゲストが遊びに来てくれた。佐世保での仕事があったので、手を挙げて出張させてもらったらしい。仕事にかこつけて遊びに行くのが一番健全。俺のいつものパターンだ。

いつも横浜に行くと接待してもらう仲間の一人なので、俺の縄張りに入ったからにはタダで返すわけにはいかん。休日で羽のあるアリ地獄に落ちたアリちゃんのようなもの。こんなチャンスにしかお返しはできないので、限られた時間の中で佐世保の一部を観光案内した。

当然自転車乗りなので、目的はＡＥＣ見物も含まれている。店休日の店に招待し、ワットバイクの試乗を楽しむ。あの勢いなら自宅に購入するかも？　せっかくなので、ついでに競輪場も見学に行くことになり、俺も久しぶりに顔を出してみた。

丁度その日は選手訓練日。後輩たちの練習風景をバンクの中で見物できたので、ゲストも喜んでくれたと思う。オリンピックメダリストの生もがきを目の前で見る機会は貴重だったでしょ？

数日前の黄砂も朝からの雨で流されたのか、澄んだ空気の中で弓張岳からの夕日も見ることができた。本当にここは素晴らしい景色だ。景色も食べ物もしかり。他県の方を案内すると地元の良さを再認識させられる。身近なところにいいものはたくさんあるね。

最後の夕食ではファーム会の練習情報も仕入れたし、横浜と佐世保の合同合宿計画を練りつつ、今年の沖縄こそバイクタウンに勝つぞと密かに誓う俺であった。

今度は俺が遊びに行きます。仕事に行きます。またお会いしましょう。

思い切って休日を取り、意を決して歯医者へ向かった。歯医者と対決みたいなので書き直す、本当は歯科医院へ向かった。

予約してるのに待合室での混雑と長時間待機。まな板に寝かされると、先生が口の中を乱暴に覗いて「あーこりゃ虫歯だ。削って詰め物して」と助手に頼む。冷徹な目をした助手にキンキンガリガリやられた後は、腫れた頬を抑えて次の予約を入れる。

・・・とのイメージの中で突撃したのだから、俺もずいぶん肝が据わっている。あなたの勇気に乾杯。

実際、医院に行ってみるとＭＲＩに続き、たいして待たされることもなくすんなり診察室へ。横には（マスクの下は）超絶美人の助手さん。優しく説明をしながら口内チェックとレントゲン検査。そして大御所先生が登場するが、イメージと異なりにこやかに解説してくれた。

「結果を言うと虫歯はありません。きれいなもんです」「へ？じゃあ奥歯が痛いのは？」「歯を食いしばりすぎですな」なんですと！？無意識のうちに歯を食いしばって痛みが出ていたらしい。証拠を突き付けられると思い当たる節もある。

やはり、やはり俺の人生、苦難に耐える５１年。ずっと歯を食いしばって生きてきた。　ｳｿ。

「せっかく来たので、他に悪いところ探して治してください」とせがむ俺に、とにかくやることないから歯石でもちょびっと取りましょうと、超絶（マスクの下）美人が口の中に手を突っ込んでくる。満更悪い気もしない。歯医者も意外といいかも。

楽しい時間はすぐに過ぎ、あっという間に診察終了。「さて次の予約は？」と聞く俺に「もう来なくていいです。どうしてもというなら一年後」ですと。　今まで通りの歯磨きで良いそうです。

やはり歯磨きで虫歯は治る。っちゅうか虫歯にならない。持論は正しかった。そして定期検診は自転車同様に必要。

名残惜しいが、会うは別れの始めなり。美女（マスク）よさらばじゃ。後は追うな。

あとは自力で顎を緩めるだけ。ぽかっと口開いてても許してください。

言ってることが矛盾している俺。自転車はメンテナンスが大事で、手入れをすれば丈夫で長持ちとか言いながら、自分の体は自分で治すと病院は避けてきた。骨折した時だけは無理やり救急車で運ばれるし、動けないのでお世話になってきたけど、あとはできるだけ近づかないようにしている。落車の時だけ自転車持ち込むようなもの。

歯医者も同じ。３食後の歯磨きで虫歯は治す！（治らんけど）ぐらいの気持ちでセルフメンテで数十年。特に不都合もなく暮らしてきたので、平穏無事だったが、ちょっと前から噛みしめた時に奥歯に違和感が発生。ん？なんだこりゃ？

その後も時々噛んだ時に疼きだした。徹底的に奥歯を磨いてみるが変わらない。どんなに丁寧に歯磨きしても当たり前だが改善しない。もしやこれが噂に聞く虫歯か！？　やばい・・・やばい・・・今は歯医者通いなんてしてる時間はないぞ。

悪くなる前に歯の定期健診には行った方が良いと分かっていたのだが、そんな暇ないと言いつつ数十年。子供の頃に虫歯治療し、２０年以上前に検診に行った記憶が最後。別に怖いわけじゃないけど、何度も来いと言われるのが恐怖。

しかしここは悪化する前に行くしかないと、心の準備をすべくメンバーの歯医者さんに相談。「ちょっと奥歯が痛いです」すると外野が「そりゃ脳の神経につながってるから・・・・」その時点であとは何を言われたかよく分からん。とにかく脅された。

またか・・・俺が病院に行こうとするとみんな脅してくる。病院とはそんなに怖いところなのか。

まことに不本意ながら歯医者さんの門をたたくことにした。

前置き長すぎたので以下次号。

今年もいい天気に恵まれました。例年この時期に店裏の駐車場でお客様方を招いてＢＢＱを開いているが、日ごろの行いの良さがここでも出るのかもしれない。

練習組は朝７時、サイクリング組は９時から走りに行き、昼から食べて飲んで喋って力比べしてと楽しんだ。１５歳から７０歳までがグリルを囲んでワイワイやるのを見てると、「これは本当に仕事の一部か？」「仕事を口実に楽しんでるだけでは？」「間違いなく遊んでるな」と迷いが確信に変わる。愉快な時間をいただきました。

むさいおっさん連中に交じって女子高生や女子大生が自転車屋に集うなど、つくづく自転車の世界も変わったと思い知らされる。

俺が競技を始めたころは男でさえ稀の超マイナースポーツ。ヘルメット被って走ってたら笑われることもあった。それが今では女性がジャージばっちり決めてカーボンレーサーで走り回る。その光景が日本の西の果てでも見られるようになった。

自分が幸せになりたければ、自分の周りを幸せにすること。周囲が楽しければ自分が楽しくないはずはない。人を楽しませるにはまず自分が楽しむこと。ッちゅうしね。

アルカンシェルのこの７年間で、自転車の楽しさを知ってもらった人の数だけ俺も楽しく幸せになった。なんぼかその手助けになれたかと思うと、また自画自賛したくなる。俺偉い。　・・・・俺がいなくても誰かやるのだろうが、せっかくのアニバーサリーなので今日は自分を褒めておこう。

とういうことでＧＷ後半戦突入。