「乗るぞ乗るぞ、走るぞやるぞ」口だけなら何とでも言えるので、ちょっとだけ本気を見せようと思い、とりあえず３時間程度走りに行ってみた。

気分を変えていつもと違う場所。ここは現役時代のホームコースなので路面の状態までよく知っている。前日コースを知らない秘書に地図を見せながら説明すると、「帰りは山越えで行きましょうか？今なら千切る自信があります」などと挑戦状をたたきつけられる始末。

ふざけるな！俺だって千切られる自信はある！平たん路で帰るに決まってるだろ。簡単に弱い所は見せないのが男というものだ。

言い訳はともかく、なるべく楽なコース設定でちょっと長めに走ることに決めた。何しろこの数か月は練習不足じゃなくて運動不足のただのオヤジ。一気に体に負担をかけて寝込んだらどうする。へたすりゃ死ぬぞ。若気の至りなどという言葉は無い。

スタート前に不安を感じクランプ予防サプリを飲んでいこうとしたが、「寒くて汗もかかないから大丈夫ですよ」と悪魔の声。「そ・そうだな」ミネラルより運動不足が不安なんだけど・・・・うやむやのまま出発。

１時間過ぎまでは好調そのもの「俺って結構すごいかも？」上りに入ると千切れだす秘書。「おいおい昨日の自信はどうした？山越えて帰るか？(ニヤリ)」　２時間過ぎるとちょっと体に異変。「ん？気のせいか負荷がかかるとなんだか足がおかしいぞ」　残り１５キロでついに足が攣りだす。「まずい、言わんこっちゃない。まんまと罠にかかった」

ゴール直前、虫の息で千切れる秘書を待つふりして、クランプの激痛に耐える俺。「いててて、僕こんなの初めて」　昔は足が攣る奴の気がしれないと思っていたほどなのに、今まさに自分史上最高に足が攣っている。これはたまらん。

何とかごまかして店にたどり着いたもののここまで弱っているとは・・・　膝は痛むし筋肉痛だし、とにかくマッサージしまくって秘密のサプリ摂って寝た。しばらくはこの苦行に耐えることになりそうです。

ま、それでも秘書には勝ったけどね。ムハハハ！

今度こそ本当の復帰宣言。俺の体調以上に長期間不調が続いていたパソコン。モニターが白くなったり黒くなったりで全く話にならない状態が続くこと数か月。とっとと修理に出してこいと秘書に言われていたが、めんどくさいというか手間がかかるというか・・・・実は外付けモニターの文字が大きく老眼に優しい所が気に入っていた。

しかし机に居座るモニターは図体もでかくでやっぱり邪魔。書類を取り出すにも一苦労だし、とにかく狭い。スペースの関係で右を向いてパソコンを扱う秘書に左を向いて扱う俺。そっぽ向いて仕事してる。体は歪むし喧嘩してるみたいでなんか変。そのうち机の上に境界線引かれそう。

たまたま見つけたＰＣ修理店の方は感じが良く、出すならここと決めた。コストはかかるかもしれないと言われたが、この店が気に入ったので休日を利用して持っていった。本来数日かかるところを夕方までに何とかしてくれるという。ダメなら出直します。

それから数時間、意外と早く呼び出しの電話がかかってきた。なんと直ってるじゃないか！修理屋さんも喜んでくれる。もちろん俺が一番喜んでる。しかも費用は最低ラインだった。

まさかの原因。なんとモニター内に今流行りの異物が混入していた。小さなねじが紛れ込んでいたらしく、組立行程でのミスとしか考えられないとの説明。残る可能性は秘書の仕業か？　ＢＢにリムセメント流し込まれたことあるし、以前秘書がなくしたとウソついたブレーキシュー固定ボルトのようにも見える。確か緩み止めの色も同じだった気がする。やりやがったな。

ともかくそのねじを取り出し組み立てたら完全復調。全く問題なく使えるようになった。ラッキー！相棒ＰＣは俺と一心同体。俺の復活（まだ気持ちだけ）に合わせて復活してくれた。　病は気から。足の毛剃ったのが良かったか？

私の机上の些細な出来事でした。

ちょっとだけ体調が悪いのを口実にサボること３カ月。怠ける時間はあっという間に過ぎていく。

５分ローラに乗って筋肉痛を感じてるようじゃ棺桶に片足突っ込んでるようなもの。施設に入ったばあちゃんだってもう少し運動していた。

実は選手引退から５年で自転車から降りようと計画していた。いきなり走るのやめたら心臓に悪いし、肥満になるのも格好悪い。徐々に減らしてフェードアウトすれば誰にも気づかれないかも？気づいた人はアハ体験。

しかし秘書が働くようになってずいぶん計画は狂った。赤子の手をひねる程度のサイクリングやってるうちは丁度良いクールダウンだったが、さすがに毎日毎日ローラーゴロゴロやってるとこんなチビでも結構走れるようになってくる。一緒に走ってこっちの息が上がる日もでてきた。ちくしょう、小娘に負けてたまるか。こうなってくると練習するしかなくなる。練習？何のために？と毎日疑問を抱えながら。

いよいよ去年の１１月、ツールド沖縄に出場することになった秘書。どうせやるならと時間の許す限り本気で練習付き合ったら結構ほんとに走れてきた。もしかしてこれいけるんじゃない？そう思いながらもダメ出し。足の不足分はテクで稼がせた。

朝っぱらから付き合った甲斐もあり、結果はそこそこだったが落車したのが残念で今年も挑戦すると宣言された。おいおい、俺の計画はどうなる？わざわざ体調まで崩してこのままなし崩しにしようという企みは？アハ体験には時間が必要なんだぞ。

しかし秘書に世話になっているのも事実。考えた末にもう少しサドルにまたがって付き合うことにした。もちろん選手のようには走らないし、仕事を優先する。体調とも相談する。しかし半端な練習でレースに臨んだら後悔するのは見えている。時間と体力が許す限りやるぞ。もしかしたら意外と健康にもいいかもしれない。

ということで覚悟を決めて足の毛剃りました。おいチビ、屁理屈こねずについて来いよ。

免許更新に長崎まで行ってきた。６年ほど前に知人に勧められて受験してみた合格率１５%程度の宅建試験。

それまで勉強らしいものはすることなく学生生活は送ってきたので、本格的な勉強などしたことないのに４０歳過ぎてやれるのか？競輪学校の試験は何度も落ちて散々苦しい思いをしたので、試験は一発合格するに限る。

２０代の頃には骨折で入院中に暇を持て余して病院のベッドで４級船舶の受験勉強をやったことがある。クルーザーヨットを買って豪華に遊ぶ野望をもって。ひと月ほど勉強してベッドから降りた頃に実技試験実施だったがロープの結び方が思い出せずパニクった覚えがある。それより緊張したのは合格発表の日。とりあえず合格したけどあんなプレッシャーはもういいと思った。もちろん船は買えず、その後免許が活躍したのは１，２度だけ。頑張った割に報われない男・・・・それ以来受験はもうやらないと誓っていた。

しかし、その方の熱心な勧めに段々その気になってきた。興味はあったのでまずは本屋へ。最初に買ったのは「マンガ宅建入門」みたいなやつ。脳が冷え切ってるからウォームアップは簡単なところからじゃないとね。暖機運転終了後は十数冊の本とネットの過去問をとにかく読む。文字は書いても時間の無駄なので〇✕のみ。落ちるのは嫌だから四六時中本を読むこと数か月。

受験当日は受験者数の多さに驚き、直前まで勉強する人たちのノートやファイル、問題集の分厚さに圧倒された。やばい！重たい荷物は嫌だと思って自分が持ってきたのはA6サイズでペラペラのまとめ本。恥ずかしくて机の上に出せない。周りがみんな強そうに見える。これは落ちたな・・・・・

しかし、さすが俺。不思議なことに見事余裕で合格した。我ながらミラクルあっぱれ。あと一年勉強するのは耐えられないと背水の陣を敷いたのが良かったか。もしかして天才か？勝てば何とでも言える。

自動車免許の更新は退屈だけど、今回の講習は非常に為になった。やはり幾つになっても勉強は必要ですな。死ぬまで勉強。でも俺は受験はおなか一杯。

これからの受験者がんばれ。

自転車関係者の集まりに東京まで行ってきた。

目的の一つは山ちゃんに会うこと。このブログに何度か登場した幼なじみは自分の永遠の目標選手。とにかく働き者である。子供の頃から頑張り屋でかなりの負けず嫌い。それなのに柔和な顔でみんなを楽しませるサービスマン。周囲をピリピリさせたりはしない人格者。

日本で最初のプロロードチームのメンバーとして活躍し、トラックの全日本選手権やツールド沖縄なども複数回優勝し、世界選手権ロードでは逃げをかましたくらいの変わり者。自転車選手としても尊敬している。

チームを率いていたころの睡眠時間は２時間で、練習しながらチーム運営に奔走していた。それで大丈夫か？と心配しても「全然平気」と言っていた。１０時におねむの俺には考えられない。　そういえばミッドナイト競輪は１１時半まで走るらしいから到底俺には無理。おっさん選手には苦行としか言いようがない。

久しぶりに会ったその山ちゃん、引退後は元自転車選手ということを隠して仕事をしているが、たまに昔を知る人に声をかけられるという。ビデオで見せてもらった仕事はハードすぎ。力自慢の若者が半日耐えられないという作業を猛スピードでこなす。信じられん・・・・早送りか？　これは昼の仕事。今では沢山寝て夜の仕事はぼちぼちやっているらしく、睡眠時間は３時間に延びたとな。なんじゃそりゃ？

５０才を過ぎた今でもハードな仕事で汗を流した方が体調がいいという。確かに汗をかかない仕事やってた時は心臓や脳に異常が来てた。ヘマトクリット値が高すぎて選手としては有利だが、献血もできない男はたぶん死ぬまで働きまくると思う。すごい。俺ももっと働くしかない。

しかし本人曰く「俺よりすごい６０歳がいるよ」　自転車やらせてたら間違いなく日本一になってたとも言っていた。　うーむ、働き者は自転車に乗るべし。