レッツゴーホスピタル２

ＭＲＩの画像を手に入れるという目的は分かっているが、受診の仕方が分からない。聞くとＭＲＩがある大きな病院は直接行っても嫌がられて後回し。近所のかかりつけ医で診察し、紹介状を持って行く風習があるそうな。

掛かりつけなんてあるわけないので、どこかの整形外科に飛び込み紹介状をもらうまで丸一日。大病院で診察を受けＭＲＩの予約を取るのに一日。撮影に一日。診断に一日。最低４日は掛かるという。しかも待ち時間は気が遠くなるほど長いと脅される。

写真１枚もらうのに、白い巨塔で次から次に襲い掛かる難関を乗り越えなければいけない・・・目指すは腕利きの専門医。これはまるで死亡遊戯か？いいだろう、ブルースリーは大ファンだった。受けて立とうじゃないか。

とはいえ冷静に考えてそんなことしてたら何ヵ月先になるかわからない。よって、横着していきなりアブドゥール・ジャバ―に挑戦することにした。アチョー！

俺はオレンジのつなぎを着て単車で乗り込んだ（ウソ）教わった通りに保険証持って朝一で並ぶ大病院の待合室。本を２冊と老眼鏡まで持って行ったのに、１ページも読むことなく受付、Ⅹ線撮影、受診とするすると進んでいく。おいおい紹介状無いのに大丈夫か？

順番が来ると担当は俺が求めていたジャバ―先生。椅子に腰かけ待っているが、サングラスはかけていない。いきなり蹴飛ばされるのかと身構えてると「競輪選手の㋔さんですか？」「はい、正確には元選手ですが」なんとジャバー先生、数十年前から俺をご存知。的確な診察後、ほいほいとＭＲＩと診断の次回予約を同時に入れてくれた。支払い終了まで１時間ちょい。次も短時間で済ませてくれるようだ。

コネクション万歳！　戦い終わった俺は、映画のエンディングテーマと共に白い巨塔を後にした。

やはりブルース・リーに遠回りは似合わないぜ（なりきってやがる）